ハープ奏者 福本しのぶ - JOURNAL - 2011 -

last updated : 2016-01-21

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11月15日

5ヶ月ぶりのパリ

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今回のパリ行きは、これまでと違った意味を持つ事はわかっていた。
もう一度、もう一度だけでも父とパリで過ごしたいと思っていたが、叶える事は出来なかった。
でも、残っているのは、昼寝をしていて幼稚園の迎えを忘れられた事や、大好きなお酒を一緒に飲んだり、芸術論を語ってる時の微笑んでる目...数えきれない思い出だ。

きっと、しばらく思い出に浸りながら、一つひとつ、父の遺品の整理が続くのだと。

出会いがあれば別れがある様に、生あれば死があるわけで、これからの時間を、もっともっと大切に生きなきゃと、当たり前の事を考えさせられた。

これも、父に感謝です。

今頃はゆっくりと大好きな人達と大好きなお酒を飲んでるんでしょうね。


10月22日

吉祥寺にて

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9月の銀座十字屋さんに続いて、十字屋さん吉祥寺サロンにてミニ・コンサート。
ちょっと慌ただしい準備でしたが、パリ時代の友人、フルートの増本竜士くんとのデュオ。
久しぶりのデュオ結成でしたが、反応がわかるので気持ち良いですね〜♪

あいにくの雨でしたが、コンサート開始前にパタっとやんでくれて。
大学の先輩がサプライズで聴きに来て下さったのには、びっくり。聞けば、チャリで5分のところに住んでいるとか。
そうういえば以前、日光でのコンサートにて、高知に住んでいるの知人が偶然仕事で来て知ったと。お互いびっくり。こういう再会があるのも嬉し恥ずかし。

コンサート後は、吉祥寺をプラプラ。人・人・人にただただ驚いていた私でした。


10月16日

ハープグッズ

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今日は素敵なコンサートで弾いてきました。

私が普段お世話になっている方のお母様が愛用していたハープを使用してのプライベート・コンサート。

アットホームな環境の中、色んな意味での"追悼"を兼ね、フルートとのデュオ、ホルンとのトリオを♪
古すぎても良くないハープという楽器ですが、丁寧に制作していた頃の楽器でしょうか。とても良い音色のする一台で、弾いていても気持ち良く。
そして頂いたハープ・グッズ。
一つひとつ、お母様が集めていたものだと思うと、その愛情が心にしみて。

ブックマークは、またこれ素敵な方からサプライズ・プレゼント♪
また大切な宝物が増えました。


10月11日

偲ぶ会

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- 葬儀にはモーツァルトのクラリネット協奏曲を流す
- 10年程大切に保管してた古酒を飲んでもらう
- "オレ"の悪口を言う

これが父の唯一の遺言。

色々と悩んだ挙げ句、水に親しみ、豊かな緑を楽しみ、人と人、人と自然の接点として豊かな交流の場を目指している、という空間コンセプトの和田倉噴水公園レストランで行う事にしました。

打ち合わせに行ったのが、まだ9月の節電モード。
素敵な公園の噴水も自粛だと言っていたのですが、10月に入って解除。

行くと、素敵な噴水が出ていて晴れやかな気持ちになりました。

常々、人から嫌われていると思っていた父ですが、大勢の方々に来て頂いたのを見て、きっと驚いているのではないかと。

父の顔の様にまん丸い素敵な満月がそれを物語って。


10月06日

3ヶ月

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父が旅立ってから3ヶ月。
あれよと言う間に過ぎていきました。

そして今日、apple創立者、ジョブズ氏の訃報。
実は父と同じ病名"神経内分泌腫瘍"。原発は異なるが、10万人に一人、という稀少なガン。

昔から機械が好きだった父。文明について行こうと、パソコンを始め、インターネットで調べものをしたり、パリ-東京と離れていてもメールでやり取りする事もできるようになり。そんな父が最後に愛用していたのがマッキントシュ。
そのパソコンを整理していたら、病室から見ていた風景写真が沢山出てきた。
絵を描く事はなかったけれど、何かを見つめていたのだと思うと、貴重な記録。

東京の空を見て、何を想っていたのだろうか...


09月11日

追悼

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東日本大震災から半年。
アメリカ同時多発テロから10年。色んな意味で"追悼"となってしまった、そんな今日。
軽井沢脇田美術館にて、ホルンの阿部麿さんと音楽をお届けする事となりました。

素敵な絵に囲まれながら、美術館に響き渡るホルンの音色に引き込まれ。ホルンの音色は、しっとりと歌声にも近く、何だかホッとするんです。

今回はホルンの古楽器、そして、"ホラ貝"も登場。 
実は南相馬に祖父母がいらっしゃった阿部さん。数年前にその家の倉から出て来たとか。そして、津波で家は流され、残ったのが、このホラ貝だけ。

会場中に響き渡るその音は感傷深いもでした。
素敵なお客様たち、美術館スタッフにも感謝。

"祈り"を捧げながら...


09月07日

ランチタイム

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朝から太陽サンsunの今日。
銀座十字屋さんにて、ランチタイム・コンサート♪

今年1月にホールで尺八とのコンサートを行ったのですが、ロビーはまた違った雰囲気。
しかも、ハープを聴き慣れているお客様が多いのではないかと思うと、ちょっと緊張したり(笑)

大学の後輩で、時々アンサンブルを行う、チェロの藤見清加さんと久々デュオ。
色々と曲をあさってる時に、Belliniの"Nocturne"というチェロ&ハープのオリジナル曲を見つけ、どうしてもこれをお聴かせしたかったのです♪
180度、お客様に囲まれて弾く事は滅多にないのですが、皆様の愛情に包まれた感での弾き心地は最高でした。
十字屋さんにも感謝。ありがとうございます。
レポートを是非、ご覧ください。


08月20日

8年目

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気が付けば、夏の軽井沢コンサートも今年で8年目となりました。

今年は開催以来初めて霧雨で始まったコンサート。
でも、音楽を奏でたらピタっとおさまり。きっと空から父が見てくれてるのかな?と。

このところ、何処行っても、父との思い出を振り返ってしまいますが、しばらくは...いや、きっと何処に行っても続く事。
そこに、一つひとつ、皆様との思い出も加わり、新しい思い出が沢山出来る事でしょう。

最初は父の作品の前で演奏するのは恥ずかしかったのですが、今では、きっと本人も恥ずかしいと思いながら聴いてくれてるのだろうと。
そう思うと幸せです。

ここまで続けてこられたのも、本当に皆様のお陰で、感謝ばかりです。

ありがとうございました。


07月06日

旅立ち

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今朝早朝、丁度11ヶ月の闘病の末、旅立った父。

私がパリから帰って来るのを待っていたかの様で、申し訳なかった気持ちと、でも、最後の一時を一緒に過ごせた事、本当に最後まで、しっかりした目で、この世を見ていた力強さに、父の全てを見る事ができ、言葉もなく。昨

年から病と闘って来たので、本当にお疲れさま、と声をかけたら、スーっと流れた涙。

宣告後の事。
最後の最後まで声を聞いてくれたのだと。

芸術家として何を残していこうとしていたのか、きっとこれから発見する事が多いと思いますが、作品が残っている事の幸せさを実感しながら、絵画より父の声を聴いていきたいと思います。

午前4時11分。

東京の空は父カラーに染まって.....


06月29日

部屋の窓から

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今回のパリ滞在は、色々と考えさせられる毎日。

気が付けば、生きて来て30数年。まだまだヒヨッコだけれど、色んな経験をしてきた。
おむつは早々とれたし、3歳には一人でお留守番。
小学校卒業の時は「夢を持つ事が夢です」と言い張って、17歳の時には「5分後に来てたら生きてません」と手術されたが失敗。就職で悩んでいたら「一生できる事を探せ」と言われた。

そんな私の前にいた父、小さい時から芸術論でぶつかってきた父が、昨年より病気と闘っていて、私がパリへ来てから、また入院した。
やはりパリが多い家族との沢山の思い出。

もう一度この部屋の窓からの風景を一緒に見ようね。


06月27日

夜のエッフェル塔

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過ごしやすく気持ちの良いパリの6月。
夏時間なので日は長く、空が真っ暗になるのも23時近く。なので、久しぶりにパリの夜を満喫!

もう、20年は通ってるビストロでの夕食後は、散歩がてらエッフェル塔までぶらり。
久しぶりに真下から見上げるエッフェル塔。別にスカートの中を覗いている訳ではないのに、ちょっと恥ずかしくなったり(笑)
しかし、いつもながら、力強い鉄に守られている姿、その圧倒感には溜息がでます。

たまに此処に来ると、観光客気分になったり、新しい発見もしたり。
そして、なんだかパワーをもらって。

夜のエッフェル塔も良いですよ。 


06月20日

トリニテ教会にて

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ミサ曲を演奏出来る機会は、そう多くない。
そんな中、時々呼んで頂けるフランスのオラトリオ団体があり、いつも"初演以来"や滅多に演奏されないミサ曲中心に、パリのトリニテ教会にてコンサートをする。
2度程の練習では指揮者の激怒が飛び交うが、本番では、教会でしか味わえない不思議な空気に包まれ、何時も、心豊かになるコンサート。

今回は、日本人の美しいソプラノを聴きいていて、弾きながら涙しそうになり。
世界中の方々に祈りを捧げながら、2日間のコンサートを終えた。

本番後、東京の病院に入院中の父に電話すると、「良かったね〜」と笑顔も見えそうな声で。

祈りが通じたかな。


06月09日

久しぶりのパリ

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最後の師匠となったフランシス・ピエールの退官を聞いたのは昨年の事。

音楽家としては、まだまだやりたい事は沢山残っている様ですが、先生として、きちんと教える事への限界を感じたとの事。また、体調的にも移動が難しくなり、毎週、渋滞の中、パリ市内へ通う事の困難さ。仕方のないことですが、理解もでき。

そんな師匠の、最後の"師匠姿"を支えに行こうと久しぶりのパリへ。
な〜んてカッコいい事を言っていますが(笑)、ちゃんと本番もかかえてのパリ。

それより、6月という気候の良いパリが久しぶりで、ちょっと嬉しい。
満喫しなくっちゃ♪


05月08日

そういえば

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藤の花の下コンサートが始まって4年。
長泉寺の藤棚も大きく広がり、少しずつですが、地元の方々にも知って頂けるコンサートになった。

思えばその時に初めて友人から紹介された尺八奏者。
「きっと、興味深いデュオになるかもよ」
と言われ、楽器にも興味あったので、是非是非!と。

あれから4年。

知らなかった"和の世界"を学ぶことができ、また一つ音楽の扉が開いた。
このところ、漫才の様なトークも好評で、かなり突っ込みも上手くなった(笑)そっちじゃないか。でも、この様に常に音楽の幅を広げていきたいと思っているので、この4年を振り返り、昨日のコンサートは感傷深いものになった。

さて、長泉寺でのコンサート、残り2日です。


05月07日

今年の藤は

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四分咲き程でしょうか。
でも、香りがとって〜も良く、まだ色鮮やかでないのが、これまた幻想的。
毎年違った藤に会えるので、本当に楽しみにしているコンサートの一つです。

今年から、お昼間に施設の方々を招いてのコンサート。地元のおじいちゃま、おばあちゃまと一緒に歌ったり。楽しい一時を♪

そして夜の部。

このコンサートを4年前から応援して下さった方が、昨年、突然お亡くなりになり、その追悼の意も込めて。
是非、聴いて頂きたかったデュオ。
感謝を込めて..."亡き王女のパウ゛ァーヌ"を。


04月30日

ベトナムを後にして...

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最終日、ホテルをチェックアウトして、深夜便に乗るまでの時間は、あちこち運転手さんに回ってもらってハノイを満喫。
それにしても、人口の多さ、まだ行き届かぬライフラインを目の当たりにした。

きっと、日本の東北も、そうなんだろうな、と。

でも、底力がある、歴史がある日本は、ある意味、恵まれているのかもしれない。いや、別の観点からすると、恵まれすぎて、求めすぎる事もあるのではないかと。色々考えさせられた。

で、そんな中、"音楽"はどう影響できるのか。目に見える、"食"だの"物"ではない、"心"を、どう、満たすことができるのか?

色々考えさせられる旅に感謝。


04月29日

残っているのは...

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とにかくアジア圏、初体験の私。
フランスでさえ、道には犬の落とし物は多いし、カフェのトイレが汚い・臭いが主流だから、アジア圏はどうなるのか!?なんて思ったり。確かに、地元の方々が行くダークな感じの場所には行っていないが、実は、思っていた通りで、驚きはしなかった。

全てにおいて「これから」なんだろうなって。 

だからこそ、失って欲しくない、ベトナムらしさ。

ハノイ音楽院を訪れたが、お昼休み直後で改装中、人は少なかったが、各階に小ホールを完備してるとか。
これからなんだろうな〜
その後フランスらしさが残ってる大教会へ。"らしさ" が残ってるのは、モニュメントだけで...ちょっぴり寂しさを感じたり。


04月28日

世界遺産へ

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首都ハノイから車で3時間程。
色んな町を通り抜け、辿り着いた神秘と伝統の地、1994年に世界遺産に登録されたハロン湾へ。
漢字表記は「下竜湾」。

その昔、外敵の侵入に悩まされたこの地に龍の親子が降り立ち、敵を打ち破り、宝を吹き出し、奇岩となって敵の侵入を防いだという伝説がある、1000もの石灰岩からなる美しい島々は、水墨画の様。
やはり"自然"は癒されます。
"自然"の怖さをも痛感した今、これらを大切にしてからこそ、恵がある訳で... 

ハロン湾を背にして見える建設中のビルなど、正直、やめて欲しいな。 

無理をしない事。破壊しない事。いずれ、自分に戻って来るから。と、考えたり...


04月27日

ベトナムへ

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お久しぶりです。
震災から色々と考える事が多く、月日が早く流れて行きました。 
きっと、それぞれの想いがあり。
一人ひとり、一つひとつ"何か"をやっていく事の大切さを、考えるきっかけになり。
私は、チャリテリーコンサートを行いながら色々考えさせれました。

そんな中ちょっとひとっ飛び。ベトナム・ハノイへ。
実は、初めてのアジア圏。
空港へ着くなり(正直、機内から)文化の違いを目の当たりに。感じの良いガイドさんと運転手さんが迎えにきてくれ、さぁ、ハノイの旅が開始!
人々の穏やかさとは裏腹に、沢山のバイクに圧倒され、車のクラクションが鳴り響く街並は活気に溢れ、沈んでいた心が少し元気になりました。

この旅で何を得て帰る事ができるか、楽しみです。 


04月01日

あれから3週間

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東日本大震災から3週間。
東京でも震度5強を感じ、私も、これまで体験したことのない揺れを体験しました。幸い、家の亀裂や窓ガラスが割れる程度の被害ですみましたが、東北の方々を思うと心が痛みます。
あれから沢山の報道を見て、海外からのメールを頂き、色々と考えさせられる日々でした。

日本には故郷のない私ですが、"日本"が故郷です。
微力ながらも、自分にできる事を考えながら、これから支援活動を行って行きたいと思いつつ、でも、日本の結束力を改めて感じ、素晴らしい国の国民で良かったと感じています。
色んな報道はありますが、良い事に目を向けましょう。

海外の支援に感謝し、"ありがとう"を心から、目を見て感謝を伝え...


02月18日

パリより

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昨日よりパリです。

久しぶりのパリの朝。パン屋に行くと、ホカホカのバゲットが出て来て、小さな幸せ♪
写真で香りをお届け出来ないのは残念ですが、帰り道、パンを鼻につけ歩いてました(笑)

この1ヶ月、たいした事はないのですが、介護生活の大変さを感じながら、1つのコンサートを終え、こうやって毎日が過ぎて行くのだと、つくづく感じておりました。

短い滞在ですが、久しぶりのパリを満喫予定!
そんな今日は、大使公邸にて芸術家が集まる晩餐に。ご招待頂き感謝です♪


02月16日

大変ご無沙汰しております

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やっとホームページ・データ、復旧しました。
日記は書いていたのですが、アップ出来ず...

1月のコンサート後にも、色んな方から「ホームページどうしたの?楽しみにしてるわよ〜」なんて言われながら、本当に申し訳ない気持ちで一杯でした。

この10数年、インターネットの普及により、どれだけ便利になって、どれだけ不便になったのだろうか?と考えたり。
しかしながら、時代について行き、自ら発信する必要性がある場合は、それを活用するべきだし...それによる弊害もあるかもしれませんが...なんて色々と考えさせられた日々でした。

さて、これからです!  

今年こそは!!


02月04日

旧正月お終え

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やっと言えます。 

あけましておめでとうございます!

年末は父の退院、年明けは母の入院。
その間に一つコンサートを終え、一息つく事ができます。
母は整形外科の入院なので、基本、体は元気。
ただ、出産以来の入院と、初めての手術という事で、気分が晴れない。そりゃそうですよね〜 
私みたいに、膝の手術だけで5回もしたら、慣れるけれど(笑)
ともあれ手術も無事成功し、2年越しの痛みも無くなった訳で、元気すぎて怒られる程。
そんなこんなの年末年始でしたが、2011年、これから始動です! 

今年もどうぞよろしくお願い致します。 皆様にとっても幸多き一年である様、祈ります。



福本しのぶ  ハープ奏者